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72CD
オットー・クレンペラー・コレクション
1934~1963年録音集
オットー・クレンペラーの非商業録音を集めた大規模なセットが、ヒストリカル系レーベル「VENIAS(ヴェニアス)」から登場。
1934年のニューヨーク・フィルとのブルックナー第9番から1963年のマーラー『復活』に至るまで、
ライヴ録音と放送録音から成るセレクションで、同一作品の別録音も大量に収録。
クレンペラーといえば、沈着冷静でスケールの大きなEMIスタジオ録音の印象が強いですが、
ライヴ録音と放送録音ではまた様子が違ったりもしますし、
これだけ分量があると、時期やオーケストラによる演奏の違いなど比較鑑賞も楽しめるので資料としても役立ちます。
ちなみにクレンペラーは、「わたしはスタジオでレコーディングするよりも、むしろ公演を録音するほうが好きです。」とも語っていました。
【クレンペラーの芸風】
「クレンペラーの演奏には、冷めたところ、口当たりの良さを排したところが常にあり、聴く者を安楽椅子で夢心地にさせるのではなく、
覚醒させ考えさせる」と評したのはドイツの作曲家パウル・デッサウ[1894-1979]。
クレンペラーの友人の哲学者、エルンスト・ブロッホ[1885-1977]も次のように語っています。
「不思議なパラドクスで、彼自身はまったく論理的な人間ではない。ところが指揮をはじめるやいなや、
とたんにものすごく論理的になるのです。
同時に非情動的で、衝動性も陰気さもなく、なんといっても甘味、消費にもってこいの甘味が皆無なのです。」
たしかにクレンペラーは、美しく整えられた外観や、豊かな情感表現といったものにはあまり興味が無かったようです。
楽譜の情報を徹底的に掘り起こすために、旋律・リズム・動機などの諸要素を克明に示し、
結果として楽曲構造が常に見通し良く浮かび上がるというクレンペラーならではの流儀は、抽象的な美感ともいうべき独特の魅力を生み出していたようにも思います。
このセットに収められたクレンペラーの非商業録音は49歳から78歳にかけてのもので、実際の音でそうした影響を検証できるのも便利です。たとえばマーラーの『復活』は4種類、ベートーヴェンの『運命』は5種類聴くことが出来るので、比較してみるのも面白いかもしれません。
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